なぜ【虚しい】のか… イギリス社会から感じる「虚無感」の理由

こんにちは Ronin です!

人生を歩んでいく途中でふと「虚しさ」に襲われてしまうということがあります。

愛する家族が天国へ旅立ってしまったというものから、恋人と別れた、または旅行から帰って来て虚無感に襲われるなど、そのきっかけは様々です。

また、特に理由が無いのにも関わらず虚しさを感じてしまう…ということがあります。

これは日本に限らず、僕が現在住んでいるイギリスでも見られることで、イギリス社会を観察することで、「虚しさ」、「虚無感」の理由が見えてきそうです。




「虚無感」の意味は?英語では?

虚しさを表現する言葉として良く耳にしたり、口にしたりする「虚無感」ですが、詳しくはどのような意味を表す言葉なのでしょうか。

虚無感の意味を辞書で調べると以下のようになります。

空しい、空虚な、何もないような感覚、何か本質的な大事な部分がごっそり抜け落ちているような虚無の感覚、向かうべき対象が見当たらず暗中にいるような感覚、といった意味で用いられる表現。

生きる目的も意味もない・生きる目的を見失ってしまった、というような「人生が無意味」という感覚を形容するような場面で、「虚無感に襲われる」「虚無感にとらわれる」「虚無感に包まれる」「虚無感に苛まれる」というような言い回しで用いられることが多い。

(出典: Weblio 辞書)

虚しい (空しい) 、生きる目的が感じられなく人生が意味のないものと感じられてしまう感覚…といった意味のようです。

また、似た意味として良く使われる「空虚感」とも特に大きな違いは無いようです。

英語で「虚無感」、「虚しさ」は “Emptiness” もしくは、“Empty feeling” などが当てはまります。

Empty は形容詞で「空 (から) 」という意味の他に「空虚な」という意味があり、“I feel empty (虚しい) ” などのように感情を表す表現として使われます。

 

イギリスにも孤独や虚無感は多い

僕が住んでいるイギリスでは、何かを常にしていてアクティブな生活を送る、という人たちが非常に多いです。

会社に行く、退社後ジム、友人や同僚との食事、恋人とのデート、コンサート、サイクリング、旅行…などなど、一体いつ休むのだろう?と疑問になるほど自分を忙しくしている人たちを、ロンドンに住んでいると特に見かけます。

これには本人達が単純にそれらのアクティビティが好きだということの他に、アクティブでなければ内向的だと思われる、つまらない人間だと思われる、退屈な人生を送っている人だと思われる可能性がイギリス社会には存在し、そう思われることを避けるためにも、自分はアクティブで人生を楽しんでいるように周りに見せている、という部分が少なからずあるようです。

例えば、週末明けの月曜日に会社に行けば、「週末何したの?」という話題になり、「どこへ行った」、「何を食べた」、「何を買った」等の会話となります。

そこで、日本ではよくあるような「特に何もしてないけどゆっくり家でくつろいでた」や、「洗濯とか掃除した後ゲームをしていた」などの回答であると、イギリスでは、「何てつまらない週末の過ごし方…」と心の中で相手は批評することになりかねません。

また、年末年始の時期も同様で、「誰とパーティーをする」「あのパーティーに招かれた」「あの国に旅行する」イベントで予定を埋め尽くし、充実した (ように見える) 日々を周りにもアピールします。

日本では良くあるような、「実家で家族とリラックスして過ごした」というような過ごし方であれば、こちらの人たちは、退屈な年末年始…というような印象を受けてしまう可能性があります。

ですので、常に誰かとどこかへ食事に行ったり、飲みに行ったりして忙くし、そしてそれを Facebook 、インスタグラムなどの SNS に投稿し人生を楽しんでいる (ように) アピールをするということは、イギリスでは非常に良く見られます。

しかし、イギリスでは専門の担当大臣が孤独問題を解消するために就任したり、ロンドンが東京やニューヨークを含む世界の主要都市中で人々が最も孤独を感じる都市となっているなど、「孤独」、「虚しさ」の問題は深刻です

【辛い孤独】について考える -From London with loneliness-

17/09/2018

常にアクティブで人生を楽しんでいるはずの人たちが、世界で一番孤独を感じやすいというのは一体なぜなのでしょうか。




活動的な毎日とは裏腹に来る「虚無感」

例えば、たくさんの人に非常に人気があり、自分も以前から欲しかった靴 (もしくはハイヒール) があったとします。

大人気のため常に品薄で、また値段も安くないため、入手するのは困難な靴ですが、ふと立ち寄った店でその欲しかった靴が置いてあるのを見つけました

幸いにも購入する予算があったため購入しようしたのですが、試着してみると靴のサイズは小さく歩くと足が痛みます、またその店にはそのサイズしか置いておらず大きいサイズを取り寄せて後日受け取ることはできません。

ここで考えられる選択肢は二つです。

一つは合うサイズが無いため購入を諦める。そしてもう一つはサイズが合わなくても購入をするです。

靴のサイズが足が痛むほど小さくても購入するという選択をした場合は、それは本人がその靴を欲しい、という感情よりも「他の人に見せつけたい」「他の人にすごいと思って貰いたい」などの感情のほうが強く働いたと思われます。

歩いていて自分に肉体的な苦痛を与えるものを、喜んで買う人はいません。

そこには「人に良く見られたい」という思いがあるのです。

自分の正直な気持ち他人がどう自分を評価するか、という状況で人は幸せになれるでしょうか。

自分が本当にやりたいこと、自分のありのままでいることを拒否しなければならず、常に他の人に人生を楽しんでいるように思われたい、と生活することは、このサイズの小さく足を痛める靴を履いているようなものです。

表面上では良く見えていても、見えないところで自分自身は痛んでいます

見えないところで心が痛んでいるから「虚しさ」「虚無感」という感情が生じます。

他者と一緒に大騒ぎしたパーティーの後に、自宅に帰り一人になるとふとどこからともなく涙が零れてきます。

イギリスではアメリカ同様に、心のセラピストや精神科医へ通う人たちが良く見られます。

普段は全くそのように見えない積極的で明るい人が、酷い憂鬱や不安定な精神状態に悩まされ、精神科医に通っているというのはこちらでは珍しくありません。

 

自分の「軸」はどこにある?

人間である以上、完全に一人で生きて行くことはまず不可能ですし、人と人とのふれあい、助け合いで人生は充実していきます。

ですが、虚無感を防ぎ充実した人生を歩んでいくためには、人生の「軸」が自分自身になければならないのではないのかと考えます。

何かを決定する時も、もちろん人の意見を聞いたりすることは重要なものの、あくまで最終決定、判断するのは「自分自身」であるとすること、また、自分の人生は誰でもない自分自身が生きているのだということを心から自覚し、自分が「幸せ」になる瞬間は何か?好きなものは何か?と言ったことを常に自分自身に問いかけ実行することは、非常に重要です。

それは人との比較ではなく、ありのままの自分自身を肯定することにも繋がります

そして、人と常にいて群れている生活では、自分自身に軸を置くことは不可能です。

自分自身と向き合うためには、一人になって自問自答をする圧倒的な時間が必要なのです。

精神科医としてメディアでもお馴染みの名越康文先生も、この一人になる時間について、Solo time という著書で述べられています。

名越先生は、日頃の人間関係から離れ、静かな「ひとりぼっちの時間=Solo time」を過ごすことで虚しさが消えたという人たちを多く見て来たということで、この一人の時間を持つことを推奨しています。

僕自身も、少し憂鬱な日々が続いていた時期にこの本に出会い、それから毎朝早起きして公園をゆっくり散歩しながら思索に耽ったり、尊敬する人の動画を聞いたりするという習慣を身に着けたところ、憂鬱さは消え前向きさを取り戻すことができました。

自分自身に「軸」を置くこと、そして自分と対話する時間を持つことで虚無感は消え去る可能性が高くなると言えます。

 

最後に

僕の知り合いに、内向的なイギリス人の女性がいます。

彼女は、あまり人と関わるアクティブなことは他のイギリス人と比べるとしないですし、週末や年末年始なども一人で自宅で過ごしたり…ということも多いタイプです。

そのため他のイギリス人から「どうしてどこにも行かないんだろう…」「どうして一人で過ごしているんだろう…」と思われてしまうこともあったようです。

そんな彼女も旅行先で出会ったスウェーデン人の彼氏ができ、思い切って彼氏の住むスウェーデンへ引っ越し、現在は彼氏とそこで楽しそうに生活しています。

ロンドンの生活が彼女に合わなかったことが、スウェーデン移住への一つのきっかけになっていたのかどうかは僕には定かでは無いのですが、最近思うのは、もし彼女が日本で暮らしていたのなら、一人でいることや内向的でいることで、そこまで他人から批評されることはなかったのではないか?ということです。

普段は知り合いが多い人たちでも、あえて一人になり、一人カラオケ、一人焼肉などを楽しむ…というような「おひとりさま」が受け入れられている日本では、常にアクティブで社交的でアクティブであるべき…という社会からのプレッシャーを、彼女のような内向的で一人の時間が好きな人がそこまで感じる必要が無いと思うためです。

それではまた!

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