日本を脱出したその日… 一介の派遣社員だった僕が「海外移住」を決意するまで

こんにちは Ronin です!

現在の移住先のロンドンでの滞在期間を含め、僕が海外に出てから既に5年以上の時間が経ちましたが、海外に出るまでは、東京でサラリーマンのような生活を送っていました。

サラリーマンの「ような」というのは、その会社の正式な社員 (=正社員) では無く、派遣会社からの紹介先で就業を行う、いわゆる「派遣社員」として働いていたので、「正社員としてのサラリーマン」ではないためです。

この時期の生活は色々な意味で辛く、また、「閉塞感」も強く感じていました。

今回は、その派遣社員時代の生活と、僕がどのようにして海外へ出ることを決めたのかについてお話ししたいと思います。




不安定…?「派遣社員」という雇用形態

派遣社員という雇用形態は、「派遣会社」と呼ばれる仲介の会社に登録し、そこから紹介された勤務先で働く社員のことですが、勤務先と直接、無期限の就労期間の雇用契約 (無期雇用) を結ぶ「正社員」と比べ、不安定な働き方と見なされることが多いです。

その最も大きな理由は、派遣社員には「就労先での就労期間に制限」があるということです。

派遣社員を初めとして、パート、アルバイト、契約社員など雇用形態は「有期雇用」と呼ばれ、その数は年々増加している傾向があります。

有期雇用の内訳

(出典: 一般社団法人 日本人材派遣協会 “派遣の現状” )

派遣社員の場合、通常3か月に一度、その就労期間を延長するかどうかが決められることとなり、もし派遣先 (勤務先) でもうその社員を雇いたくないと判断されてしまった場合は、就労期間の更新が行われず、その職場での就労が継続できなくなってしまいます

また、更新が毎回継続されていったとしても、同一の派遣先で最長で働ける期間は、平成27年に改正された労働派遣法の影響により3年が限度となっているため、企業が継続して3年以上同一の派遣社員を就労させたい場合は、基本的には直接雇用 (正社員雇用) をしなければならなくなります

派遣社員は厳密には、派遣会社の社員となるため、給料及び、厚生年金、健康保険は派遣会社から支給されることになります。

派遣社員の就労先の企業は、紹介料を派遣企業に支払うことになるのですが、紹介料以外には、厚生年金、健康保険等の費用の負担が無く、また派遣社員には賞与 (ボーナス) を支払う必要も無いため、正社員を雇うよりも少ない経費で派遣社員に就労を行わせることができます。

比較的安い経費で雇える派遣社員と比べ、正社員は企業側の負担も増えるため、3年という雇用期間の上限を迎えたた場合、職を失ってしまうかもしれないという大きなリスクを派遣社員は抱えています。

 

希望の就職先で正社員として採用されず…派遣社員となる

僕は大学卒業後に、一度台湾へ半年間語学留学へ行ったのですが、その後は日本へ帰国し、東京にて就職先を探すことになりました。

台湾人はマイペース? 日本と台湾の【労働環境】の比較

01/09/2018

留学のかいもあって、多少の中国語は身についていたので、中国語を使えるような、貿易会社、商社を中心に就職活動を行い、正社員を目指しました。

しかし、新卒採用とは違い中途採用であり、またアピールできるほどの職歴も無い状態であったため、就職活動はスムーズにいかず、書類選考の時点で落ちることは日常的でしたし、面接まで行けても、どの企業にも採用されない日々がしばらく続きました。

用意していた生活資金も徐々に無くなってきていた頃、社員15名ほどの小規模の貿易会社の、最終面接を受けられることになりました。

面接の当日は、自分なりには上手く自分を表現できたと思ったものの、その後伝えられた日時になっても合否の連絡がありません

心配になって、いてもたってもいられず、面接を受けた企業に電話して問い合わせてみると、「不採用となり履歴書を返送させていただきました。」との回答を受けました。

生活資金もほぼギリギリのところまで来ていたため、正社員になることを諦め、派遣会社に登録し、貿易系の会社に事務職員として派遣され、何とか派遣社員としての職を得ることができました。

 

正社員との格差、そして止まない閉塞感

国税庁が平成30年9月に発表した「民間給与実態調査」の結果によると、平成29年度の給与所得者の内、正規雇用者と、アルバイトや派遣社員などを含む非正規雇用者数、そしてそれぞれの年間平均給与額は以下のようであったことが分かりました。

正規 / 非正規雇用者の数

正規雇用者:  3,288万人          非正規雇用者: 1,134万人

 

年間の平均給与額

正規雇用者:  494万円         非正規雇用者: 175万円

(出典: 国税庁 “平成29年分民間給与実態統計調査結果” )

これを見ると、正社員などの正規雇用者の平均給料が、非正規雇用者のものより2倍以上にも関わらず、非正規雇用者の数が正規雇用者に比べ3倍近くいることが分かります。

これは正規雇用者と比べての、収入格差に直面している非正規雇用者がいかに多いかを表しています。

僕が東京で働いていた派遣先でも、僕のような派遣社員と比べて、正社員は給与面で優遇されたいましたし、派遣社員としての、契約期間の心配があったため、将来のことを常に不安に思っていました。

小さなアパートに一人暮らし…という生活でしたが、それでも決して多くない給料から、家賃等の生活費を賄っていくのは楽では無く、まさに石川啄木の「働けど働けど我が暮らし楽にならざり」の短歌に表されているような状況で、働いても自分の将来が良い方向に向かっているような気が全くせず、まるでそれは、今にも壊れかねない木製の船の上で、海の上を彷徨っているようで、もっと安全で大きな船に移ることもできず、ただただ海に放り出されないように、その木船にしがみついているような状態でした。

そして、金銭的な問題に加え、会社での業務は激務で、終電まで会社に残って残業しなければならないこともありましたし、また僕を含め、派遣社員として働いている人たちが、正社員の人たちから下に見られるような言動をされるようなことも珍しくはありませんでした。

そんな中で、閉塞感を毎日感じ生活をしていて、何とかこの生活を変えたいと強く願っていました。

なぜ日本の「閉塞感」は生まれる… 『海外から感じとる閉塞感の正体』

17/10/2018




生まれて初めて家計簿をつける。語学勉強と貯金でオーストラリアへ

留学のために、台湾で半年間生活を送ったことのあった僕は、台湾での、世界中からの留学生や、台湾の人たちと出会った体験を思い出していて、いつしかもう一度海外に出たい、そして、今度は完全な「移住」を実現させたいと思うようになりました。

そうでなければ、「閉塞感感じる木船の上での漂流」を終えることができないと、本気で思ったためです。

そして、その目標の最初の目的地として、オーストラリアへワーキングホリデー制度を利用していくことを選択肢しました。

オーストラリアのワーホリは1年 (ファーム等で3か月従事した場合は2年間の滞在が可能) という期限付きでしたが、その後はカナダなどの国にワーホリで行って英語力を高めておけば、最終的にはどこかの国に移住できるだろう…とかなり楽観的な考えで (汗) 、移住計画を進めることにしました。

オーストラリア【ワーホリ】 -虚構と現実編-

13/09/2018

ワーホリには資金が必要となるため、それからはほとんど出費をすることなく、毎月の貯金目標を設定し、コツコツお金を貯めることにしました

その時20数年の人生で初めて家計簿をつける習慣を身につけたのですが、どこにどれだけ出費をしたのかが明確になるため、移住のための資金作りにかなり役に立ちました。

 

お金のパーソナルトレーニング「bookee」

また、現地へ行ってからの仕事探しのために英語力は必須であったため、通勤通学の電車の中、昼休み食事を終えた後、帰宅後…などの隙間時間を利用して英語の勉強をし、英語力向上に努めました。

この勉強によって、オーストラリアの現地で生活をしていく際に必要な、英語力を身に着けることができました。

もし仕事の合間を縫って、語学学校などに通えていれば、より一層日本にいる間に英語力を高められたのではないかな?と感じています。

そしてこのような、派遣社員として仕事をしながら、貯金と語学勉強に努める生活が1年ほど続いた後、僕はついに日本を離れることになります

 

海外へ出るのはあくまで一つの手段

現状が辛ければ逃げれば良い、そして、その手段の一つとして海外へ出れば良い…などと言われることがあります。

僕自身も海外へ出て人生が大きく変わりましたし、今では閉塞感を感じることもありません。

しかし、直ぐに逃げられるほど、全ての物事が単純で簡単なわけではありませんし、悩み事などの辛さと言うのは、いくら説明しても最終的には体験している本人しか分からない部分があると思います。

そして、海外へ出ると行っても、ワーホリや留学などの一時的で日本へ帰国する予定であるものは別としても、本格的に海外へ移住となるとそれなりのリスクがあることを忘れてはならないと思います (僕の当時の移住計画も大分楽観的で、今思うと怖くなります…汗) 。

アジアにするか、ヨーロッパにするかや、どのようなライフスタイルを望むかによって、必要な資金の金額やビザなどが異なってきますが、可能であれば、観光ビザ、またはワーホリ、留学等で現地にある程度の期間住んで現地の生活を体験してみて、本当に暮らしていけるのかをじっくり考慮した上で、最終的に海外移住を決めるのが理想的です。

また、日本にいる間でも、本やインターネットを通じて、海外移住の知識を良く身に付けておくことも重要であると言えます。

Samurai in London では、これからも海外の情報や体験などを、どんどんシェアしていきたいと思います!

それではまた!




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